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被災地支援/福岡県備蓄基本計画の現状と課題

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熊本地震への支援として、福岡県は17日、県としての備蓄物資から缶入りソフトパン2万2464缶、毛布3100枚(日赤福岡県支部からの救援物資1500枚含む)、簡易トイレ1200枚を搬送しました。現状を鑑みるに十分とは言えませんが、引き続き県内市町村による支援物資の受け入れなどとあわせ、取り組みを続けていかなければなりません。

このほかにも保健師等による健康管理支援チーム、県内25消防本部71隊237人の緊急消防援助隊、災害派遣医療チーム(DMAT)、警察広域緊急援助隊の派遣や、義援金の募集(義援金箱の設置場所等についてはこちらをご参照ください)、県営住宅の無償提供(対象住宅=県営住宅140戸、県内の市町村営住宅・住宅供給公社賃貸住宅約230戸)など様々な支援を進めています。

義援金

また、地元の古賀市も支援物資を集めています。古賀市のFacebookページをご参照ください。

ここでは、備蓄について福岡県の状況をまとめます。大規模災害は日本全国どの地域においても発生する可能性があり、私たち一人一人が防災・減災意識を向上させ続けることが大切です。

福岡県は備蓄基本計画(2014年3月策定)に基づき、災害備蓄に関する基本方針を定めています。また、帰宅困難者対策も推進しています。私は計画策定前から予算特別委員会における行政への質疑で積極的に関わってきた経緯があり、以下、計画の目標や現状と課題を整理しますので、今後の参考にしていただけると幸いです。

備蓄3

備蓄2

①県民の皆さん
 3日分以上の備蓄に努めるよう求めています。飲料水(1人1日分3リットル)、食糧、生活物資(救急セット、常備薬、簡易トイレ、トイレットペーパー、生理用品等)、高齢者・障がい者・乳幼児その他特に配慮を必要とする人(=要配慮者)が必要とする物資(紙おむつや粉ミルク、アレルギー対応食品等)。定期的な更新が必要です。
 2016年3月の予算特別委員会における私の質疑において、2015年度の県民の備蓄状況は飲料水18%、食糧36%と厳しい状況にあることが分かっています。

②事業所
 従業員等の3日分以上の飲料水、食糧、生活物資の備蓄に努めるよう求めています。集客施設を有する事業所は来客の一時的な滞在を想定した備蓄を検討。帰宅困難者の受け入れに協力いただける事業所は、市町村の備蓄状況を踏まえ必要な物資の備蓄を検討。
 前述の予算特別委員会では、2015年度の事業所の備蓄状況は飲料水9%、食糧7%と厳しい状況にあることが分かっています。

③市町村
 各市町村で想定される災害や地形等の特性、県から示される被害想定を踏まえ、想定される最大避難者数を基に必要量を見積もります(在宅の避難者も考慮)。2015年度までに1日分の3分の1、2018年度までに1日分の3分の2を備蓄するよう努めることになっています。
 前述の予算特別委員会では、2015年9月30日現在、同年度の計画目標を達成しているのは県内60市町村のうち▽食糧で40▽毛布で33▽簡易トイレで13――に止まっていることが判明(飲料水は原則として応急給水により確保)。このほかにも▽仮設トイレで7▽発電機で46▽投光機で45――となっています。

④県
 県内で想定される最大避難者数4万6566人(警固断層南東東中央下部震源の地震)を基に見積もります。食糧、生活物資は想定される最大避難者数の1日分の3分の1を現物備蓄することとされ、2015年度末現在で達成。避難所運営資機材(仮設トイレ、パーテーションなど)は最大規模の災害発生時に必要と想定される量の3分の1を現物で備蓄するように求められ、2016年度までに完了する予定です。
 なお、今回の熊本地震の支援として、上記の中から、冒頭に報告した缶入りソフトパン等の県備蓄物資を搬送しています。

備蓄1

⑤帰宅困難者対策
 県では、福岡県西方沖地震を踏まえ、コンビニエンスストアやガソリンスタンド等の事業者と「災害時における徒歩帰宅者支援に関する協定」の締結を進め、徒歩帰宅者支援ステーションの指定は2890店舗(2014年6月末現在)に広がっています。

帰宅困難者対策

以上、現状と課題の概要をまとめました。福岡県備蓄基本計画の全文は県防災ホームページで読むことができますので、ぜひご参照ください。


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