福岡県議会12月定例会は20日、本会議を開催。県議会として国に提出する「骨髄移植ドナーに対する支援の充実を求める意見書」や、知事から提案された約342億550万円の今年度一般会計補正予算など34議案を可決、閉会しました。
私は就任以来、連続23回目の本会議質問(一般質問)に臨みました。テーマは①骨髄ドナー登録の推進と県の役割②放課後等デイサービスの課題と特別支援学校の新設を取り上げた障がいのある子どもの支援の充実。現場の皆さんからいただいたご意見から把握できた課題について、政策形成などの取り組みを進めるよう、知事と教育長に提案し、県政前進につながる答弁もいただくことができました。
田辺と知事・教育長のやり取りのポイントは2016年12月10日付ブログにまとめています。①田辺の質問全文(PDFへリンク)②知事と教育長の答弁、田辺の意見の全文(PDFへリンク)も、それぞれご参照ください。動画も県議会の公式HPに公開されています。(こちら)
骨髄移植ドナーに対する支援の充実を求める意見書は、私が日本骨髄バンクからのヒアリングも踏まえ、所属会派の民進党・県政クラブの会議で提案。民進党・県政クラブから自民党、公明党、緑友会の皆さんに趣旨を説明したうえでご理解をいただいた結果、主要4会派の共同提案となったものです。「一人でも多くの患者さんの命を救いたい」という共通の思いがあります。
今回可決した意見書は、国に対し、▽ドナーが骨髄等を提供する際の入院、通院、打ち合わせなどのための休業補償制度の創設▽企業などにおける取り組みの促進▽若年層をはじめ国民の皆さんへの啓発の推進――を求める内容となっています。全文は県議会の公式HPでも読むことができます(こちら)。
骨髄バンクのドナー登録は年間受付件数が減少し、登録可能年齢が18歳~54歳のため55歳となって登録取り消しとなる数が増加傾向にあります。登録者を年齢別に見ると40歳代が多く、若年層が極端に少ない傾向も顕著です。このまま放置すると、ドナー数は確実に減少していくことが危惧されます。
最も重大な課題のひとつとして挙げられるのが、骨髄移植の前提となる患者とドナーとの白血球の型が一致する「HLA適合率」と、実際に移植に至る「移植率」の乖離です。平成27年を見ると、適合率が95.9%と高いにもかかわらず、移植率は54.6%にとどまっています。そして移植率が低い背景として指摘されているのが、休業の問題です。ドナーから骨髄を採取するには、通院や入院で約1週間が必要とされ、「仕事を休みにくい」「仕事を休むと収入に影響する」などと辞退せざるを得ない人が多いといいます。
一方、骨髄ドナー登録を推進するために、地方自治体で出来ることもあります。
この点、私は12月定例会本会議の一般質問で、全国197市町村でドナーに助成する制度が急速に広がり、埼玉や東京、京都など8都府県で市町村を支援する制度が創設されていることを紹介し、福岡県でも市町村を支援してドナー助成制度を広げていくべきと提案しました。小川洋知事は「既に制度を設けている都府県における運用の実態や、その効果などについて調査したい」と答弁しました。福岡県内では、柳川市、みやま市、新宮町、大木町の4市町がドナーへの助成制度を独自に実施しており、北九州市はこの秋、県に対して制度を創設するように初めて要望しています。ドナー登録を推進する重要性については知事も認識を共有しており、引き続き、県としての制度創設を求めていきたいと思います。
あわせて知事は答弁の際、私の提案を受け、企業におけるドナー休暇制度の普及拡大のため、現在約2800社ある「がん登録推進事業所」などに制度導入を働きかける新たな取り組みの実施を表明。若年層対策として成人式や入社式などの行事で啓発リーフレット配布することを市町村や事業所などに働きかける方針も示しました。
今後も、この問題についてはしっかりと取り組んでまいります。
なお、私自身もドナー登録をしています。献血ルームなどで短時間で登録することができます。登録受付窓口などの情報については日本骨髄バンクのこちらのページもご参照ください。
このほか、今回成立した福岡県の今年度一般会計補正予算は、河川の護岸整備などの洪水被害・土砂災害の防止や東京パラリンピックを見据えた障がい者スポーツの拠点整備、保育士の就職支援などが盛り込まれています。
さあ、来年の2月定例会に向け、早速準備を始めますよ。私を見かけましたら皆様のお声をどんどんお寄せください。