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Channel: 田辺かずきのブログ
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宗像・沖ノ島と関連遺産群「一体」で世界遺産登録を

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福岡県宗像市の沖ノ島(宗像大社沖津宮)が世界文化遺産に登録される見通しとなりました。

 

5日深夜、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が登録を勧告したことが分かりました。

 

しかし、沖ノ島と岩礁(小屋島、御門柱、天狗岩)が考古学的に普遍的価値があるとして登録勧告を受ける一方、「関連遺産」として構成資産になっている福津市の新原・奴山古墳群や、宗像市・大島の沖津宮遙拝所と宗像大社中津宮、そして宗像大社辺津宮(※辺津宮が一般に宗像大社として知られる)は、「世界的な価値は認められない」として除外されました。

 

海の道むなかた館のパネルからは構成資産が「一体」であることが理解できる

 

『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」は、全ての構成資産が「一体」であることが最も重要であり、国、福岡県、宗像・福津両市はいずれも「顕著で普遍的価値」があるとして、「一体」での登録を目指してきました。

 

今回の勧告を受け、西谷正・九州大名誉教授(海の道むなかた館館長)も「宗像大社が祭る3人の女神は切り離せないし、古墳群は史料を証明する物的証拠。神社と古墳は一体的なものだ」(朝日新聞2017年5月7日付朝刊)と語っています。国、県、両市で勧告の内容を早急に検討し、全ての構成資産の世界遺産登録に向けて全力で取り組んでいかなければなりません。

 
実は、私は勧告が出される直前の5日の日中、大島を訪ねていました。
 
大島には、構成資産のうち宗像大社の中津宮と、沖ノ島(沖津宮)を望むことのできる沖津宮遙拝所があります。
 
 
中津宮に参った後、徒歩で島の反対側(北側)の沖津宮遙拝所へ。
 
 
 
 
沖津宮遙拝所からは、49キロ離れた沖ノ島を望めます。この日はうっすらと確認できました。
 
 
また、大島の後には、同じく構成資産である福津市の新原・奴山古墳群も訪ねました。
 
 
高台から見ると、沖ノ島での祭祀などを担った宗像氏の古墳が連なり、その先には大島があります。この風景は素晴らしいものです。
 
私も勧告を受け、既に知り合いの専門家の方と話をするなど、なんとか「一体」での登録を実現するため対応を始めています。正式に登録が決まる7月のユネスコ世界遺産委員会までの限られた時間ですが、皆様の引き続きのご支援とご協力をよろしくお願いいたします。
 
   ◇
 
宗像・大島訪問に話を戻します。
 
世界遺産の構成資産以外にも地域の魅力は多くあり、世界遺産登録を見据え、地元の皆さんは様々な努力をされています。この日も船で渡ると、フィッシャーマンキッチンさんの漁師サンドや宗像漁協の特産品が出迎えてくれました。
 
 
 
 
 
 
「塩サイダー」が新たに登場。甘夏ゼリーも美味しいですよ。
 
 

夢の小夜島近くの浜辺には、おしゃれな「MUSUBI CAFE」さんもあります。

 

 

大島の甘夏シェイクとフィッシュ&チップスをいただきました。美味しいですよ~。

 
 
 
この日、大島を歩く中で、多くの地元の皆さんと話をすることができました。世界遺産に求められる「保存と活用」についても、これからさらになすべきことが見えてきました。やはり、「現場」が大切です。
 
 
もちろん、また参ります!
 
   ◇
 
余話。沖ノ島の世界遺産登録勧告の翌6日、海の道むなかた館を訪ねました。ちょうど、沖ノ島と3つの岩礁に世界遺産登録への勧告が出たことを掲示するところで、報道各社が取材。私も元記者なので一緒に撮影してしまいました。
 

 
 
 
 
 

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