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災害医療に対応できる人材育成―特別委の調査

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災害時の医療支援体制を拡充・強化する先進的な取り組みなどを学ぶため、福岡県議会の防災及びエネルギー・水安定供給調査特別委員会(江藤秀之委員長)として、東北で視察・調査を実施しました。


災害時地域医療支援教育センター1


視察日程は22日~24日。最初に訪問したのは、岩手医科大学の「災害時地域医療支援教育センター」(岩手県盛岡市)です。2013年3月に完成。東日本大震災と大津波の経験を踏まえ、災害医療における人材育成のための先進的な研修を行っています。


災害時地域医療支援教育センター8


この日は遠藤重厚センター長や藤原弘之助教(災害医学講座)からご説明をいただきました。


災害時地域医療支援教育センター2


災害時地域医療支援教育センター3


センターでは大規模災害に備え、全国の医療従事者を対象とした様々な研修を実施。災害シミュレーション室では、36.5平方メートルの室内に倒壊した建物に見立てた構造体を設置し、暗く、がれきが存在する狭い中で要救助者にアクセスし、状態の観察や治療といった対応方法を学ぶことができます。


この日の説明からは、災害医療における通信や衣食住、物資の確保など「医療行為に行き着く前」のロジスティクスの重要性をあらためて認識できました。こうした研修には、福岡を含む全国各地の医師・看護師らが参加しているといい、災害医療体制の強化につながっています。


災害時地域医療支援教育センター4


また、大災害に対応するための備蓄関連倉庫も視察。飲料水3万本、長期保存可能な食料3万食、ヘルメットや毛布、応急救護医療セットなどを備蓄しているといい、災害時の後方支援の体制を整えていました。


災害時地域医療支援教育センター5


災害時地域医療支援教育センター6

災害時地域医療支援教育センター7


なお、センターは災害時の電源供給のための非常用発電機、無停電電源装置、7日分の飲用水(1日300人目安)の受水槽・緊急排水層を備えています。


   ◇


トヨタ自動車東日本を中心とした第二仙台北部中核工業団地(宮城県大衡村)でも調査を実施。トヨタにとって、中部、九州に次ぐ、第三の拠点です。まず工場内を見せていただき、生産ラインで作業する人の負荷を軽減する仕組みに驚きました。


トヨタ自動車東日本2


トヨタ自動車東日本1


そして、ここでは次世代エネルギーマネジメントを実践しています。太陽光やコジェネレーションなどの新しいエネルギー供給システムを導入し、電気を工場内で活用するとともに、外部の需要家にも送電。さらに、非常時には村役場にも送電するシステムを来年にも実現させる見込みといいます。


トヨタ自動車東日本3


また、こうした取り組みの一環として、オランダの農業技術を導入し、農商工連携のパプリカ栽培も進めている農業生産法人「ベジ・ドリーム栗原」のハウスを見せていただきました。


ベジ・ドリーム1


ベジ・ドリーム1


なお、今回の視察先が技術面で参考にされたオランダの「スマートアグリ」の取り組みについては、私も2013年8月7日付ブログ で報告しています。こちらもご参照ください。


さらに、胆沢ダムとその発電所(岩手県奥州市)も調査。わが国初のロックフィルだった石淵ダムの再開発事業として建設され、2013年11月に竣工。堤高は127メートル、総貯水量1億4300万立方メートルと国内最大級。今年8月には胆沢第一、胆沢第三発電所も竣工し、最大出力はそれぞれ1万4200キロワット、1500キロワット。


胆沢ダム4


胆沢ダム2


胆沢ダム1


胆沢ダム3


最終日は宮城県議会へ。県地域復興支援課から、大津波で鉄骨の骨組みだけが残った南三陸町防災対策庁舎など「震災遺構」の保存に向けた検討状況などについて聞き取りました。


いずれも今後の福岡県政を考えるうえで、示唆に富んだ内容でした。今後の県政推進に生かしていきます。



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