3月11日。東日本大震災から10年。お亡くなりになった皆さまに深く哀悼の意を表し、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。古賀市は半旗を掲げ、発生時刻の午後2時46分にサイレンを吹鳴しました。
あの日を胸に刻み、私たち一人一人が何を為すべきか、考え、行動する決意を新たにしたい。あらためて「命」に向き合いたい。生きるとは何か。新型コロナウイルス禍の中で、私たちの社会は苦しく、厳しい状況にあり、互いを思いやり、支え合うことの意味を再考したい。想像力を大切にしたい。私も自省する一日になりました。
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古賀市としても、災害はいつ起きるか分からないことを前提に様々な取組を推進しており、令和3年度当初予算案にも新たな事業を盛り込みました。風水害発生時の適切な判断や行動につなげるためのゲーム型防災研修プログラムの導入や、迅速な避難所開設とプライバシーや快適性に配慮した避難所運営に必要な資材の確保、テレビのdボタンを活用した迅速な情報共有などを行いたいと考えています。
以下、施政方針演説の該当部分を抜粋します。
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地域防災・減災体制の強化を推進します。
地球規模の気候変動により、昨年も豪雨や台風などによる大規模災害が多発し、新型コロナウイルス感染症への対応とあわせ、危機管理の重要性を実感させられました。古賀市も避難勧告の発令や避難所の開設・運営などを経験することとなり、今後につながる知見も得られました。そして、いつ起きるか分からない災害に備えるためには、私たち一人ひとりが防災意識を涵養し、主体的に率先して避難行動ができるようにしておかなければならないということを、誰もがあらためて痛感したと思います。
とはいえ、どうしたらいいのか。
そこで昨年12月、古賀市として、新たに開発されたゲーム型防災研修プログラム「風水害24」を九州で初めて活用し、防災士、社会福祉協議会、消防団、粕屋北部消防本部や古賀市の職員、市内在住外国人の皆さまが参加しました。台風の接近から通過までの24時間をシミュレーションし、時間の経過は10段階。台風が近づくにつれて警戒レベルが上がります。自分がいる場所を踏まえ、気象情報などをもとにどのように移動するか、同じ地域に住む周りの人に声をかけるか、どのように物資や情報を集めるか。行動の選択によっては命の危険性が高まることがリアルタイムで把握、実感できました。在住外国人の皆さまの参加で、日本語が通じにくい要配慮者とのコミュニケーションのあり方も再考できました。防災の肝は、公助の充実とともに自助・共助の体制の構築です。令和3年度、市内各地域での自助・共助の実効性を高めていくため、このプログラムを活用し、ファシリテーターを養成していきます。
避難行動要支援者の避難支援プランを改定し、高齢者や障がい者の具体的な支援策につなげます。消防団の持続可能なあり方の検討も進めます。
近年、令和2年7月豪雨に代表される記録的な大雨など、市民の生活を脅かす気象状況が多発しており、雨水への対策が急務となっていることから、雨水に係る総合的な計画の策定に着手します。また、水道水の利用促進や防災等の推進のための啓発を行います。
また、九州朝日放送(KBC)のデータ放送を活用し、テレビのリモコンのdボタンを押すだけで手軽に市政情報にアクセスできる仕組みを作ります。平時から市民の皆さまに市政の取組を伝えるとともに、特に迅速な共有が求められる災害発生時の緊急情報の発信に活用し、デジタル・デバイドが指摘される高齢者の支援にも繋げます。