福岡県のこれからの農業と地域振興を考えるため、県議会の所属会派として、地元・古賀市を視察しました。
農業振興ヒーロー「ヨメニコーン改」も登場=JA粕屋北部プラザで
若手農業者の皆さんを中心とした「スイーツコーン」の特産品化とニューヒーローを生み出した取り組みや、地元農産物を使った新たな特産品開発を競う「K-1(古賀の一品)グランプリ」の事業概要、デコポン農家の現状と課題などを学びました。
視察は17日午後に行いました。
地元の古賀市は都市近郊で農業が盛んな地域です。水稲と温州ミカンが農業の主体。近年は施設園芸(イチゴ、軟弱野菜など)による産地強化を図っており、新たな特産品となる農産物の生産、6次産業化にも果敢に挑戦してきています。市農林振興課によると、総農家戸数は491戸、農業者数は1452人、農地面積は695ha。
今回の視察の大きなポイントのひとつが、今年2月にJA全国青年大会で最秀賞に輝いたJA粕屋青年部(長﨑隆児部長)の取り組みを学ぶこと。農業振興の取り組みが地域振興につながっている先進的なケースを今後の農政に生かせないかを考える一助としたいとの思いからです。
そこで、JA粕屋青年部の秋山隆哉さんから最優秀となったプレゼンテーションを実際に披露していただいたうえで、意見交換を行いました。
JA粕屋青年部・古賀支部は、農業振興プロジェクトとして、2年前からスイートコーンの特産品化にチャレンジ。糖度の高い「スイーツコーン」として売り出すことに成功し、年1回開催しているイベント「朝どり こがスイーツコーン祭」は市内外から多くの人が訪れるまでに成長しました。今年6月29日には、私も夜明け前からの収穫からイベント運営をお手伝いさせていただきました。(2014年7月1日付ブログ など参照)
市農林振興課によると、2012年度の作付面積が2000平方メートル(播種数6000粒)だったところ、14年度は1万6600平方メートル(同6万粒)に広がっています。スイーツコーン祭の販売本数も12年度1300本、13年度6000本、14年度1万本と年々拡大してきました。
イベント会場はスイーツコーンを求める人の長蛇の列
このプロジェクトの一環として生まれたのが、農業振興のニューヒーロー「ヨメニコーン改」。古賀市内の保育所・幼稚園での食育(2014年6月27日付ブログ
参照)や、県の補助を受けながら農業関係者を対象とした婚活イベントも展開、私も参加・協力してきています(2014年7月6日付ブログ
参照)。
こうした取り組みは、新聞各紙やテレビなどのメディアでも報道され、未婚者が多い若手農業者の「(誰か)嫁に来んかい」との願いと「コーン」をかけて生まれた絶妙のネーミングも注目を浴びています。なお、ヨメニコーン改による知事表敬も実現しています。
古賀市農林振興課からは、「K-1(古賀の一品)グランプリ」の事業概要を説明していただきました。
古賀産の農産物(温州ミカン、イチゴ、おかわかめなど)を使って新たな特産品開発を目指す農業者や事業者を募り、農家と加工業者のマッチング、試食・調理指導、商品開発・品質向上・生産システムの確立に向けたサポートなど一貫した開発支援を実施。一大イベント「まつり古賀」で、市内外から募った審査員が十数品のメニューを試食し、グランプリなどを決定します。また、メニューを商品化し、県事業の商談会「ふくおか農と商工の自慢の一品」などに参加し、販路拡大も目指しています。
私もこれらの取り組みに参加、協力してきました。2013年11月18日付ブログ や2013年1月24日付ブログ をご参照ください。
これらの調査に先立ち、果樹農家の生産現場へ。
古賀市は温州ミカンをはじめ特産・山見阪ネーブルなどかんきつ類の栽培が盛んです。福岡県としても果樹栽培が盛んですが、若年層を中心に果樹の消費が低落傾向にあるため、対策を講じていかなければならないとの問題意識があり、現状と課題を把握するために視察を行いました。
この日訪ねたのは、デコポンを栽培している薦野区のハウス。果実のシラヌヒ(不知火)の中でも糖度13度以上など一定の基準を満たした高品質のものをいうデコポンについては、古賀市が県内トップクラスの生産を誇ります。現場でJA粕屋や県福岡農林事務所・北筑前普及指導センターの担当者の方と農家の水上さんから話を聞かせていただきました。特に、品質向上を図っていくに当たり、高齢化にどのように対応していくのか、また害虫対策にどのようにとりくんでいるのか、学ばせていただきました。
加えて、JA粕屋北部プラザでは選果機の機能向上を図る必要性についてご説明をいただきました。
それぞれの現場でご協力、ご対応いただいた皆さんに心から感謝いたします。福岡県の農政推進のためにしっかりと生かしていきます。
◇
また、今回の視察では、古賀市に近い宗像市の玄海小・中学校を訪問。小中一貫教育とICTを活用した学力向上策についても学ばせていただきました。
小中一貫教育の実践の成果として、学習規律、学習態度、学力の定着や家庭・地域との連携などをご説明いただきました。また、電子黒板を活用した授業の現場を見せていただくことで、その分かりやすさに期待を覚えました。
がんばろう日本
ささえよう東日本
伝えよう古賀の心