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Channel: 田辺かずきのブログ
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平和を願う慰霊碑へ/石炭の大規模な露天掘り

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モンゴル・ウランバートル郊外のダンバダルジャー日本人墓地。


この場所には、平和を願う象徴、そして日本とモンゴルとの友好関係の証としての慰霊碑が建てられています。7月30日午前に訪問し、献花をさせていただきました。


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2001年に竣工。慰霊碑の奥には、日本政府として、「さきの大戦の後 1945年から1947年までの間に 祖国への帰還を希みながら この大地で亡くなられた 日本人の方々を偲び 平和への思いをこめて この碑を建設する」とうたっています。


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第二次大戦の直後、ソ連はモンゴル政府の要請で、シベリアに抑留した日本人のうち1万2318人を同国に送り込み、1945年から47年の間、日本人は強制労働に従事しました。このうち、1597人が亡くなったとされます。慰霊碑には、皇太子殿下や秋篠宮ご夫妻、小泉純一郎元首相らも訪れています。


なお、日本人の抑留に至る歴史や慰霊碑建立までの経緯などについては、モンゴル赤十字社のオトゴン事務局長が著した小冊子(邦語訳あり)にまとめられており、本稿の記述もこれを参考にしています。小冊子は私の事務所にも置いています。


   ◇


モンゴルは「石炭、銅、ウラン、レアメタル、レアアース等の豊富な地下資源に恵まれており、我が国への資源やエネルギーの安定的供給確保の観点からも重要」(外務省)とされます。


7月31日、首都ウランバートルの東約140キロに位置するバガヌール石炭鉱山を視察しました。露天掘りでは同国最大の規模です。


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広大な露天掘りの現場。黒色が石炭層


モンゴルで電力や熱を供給する燃料は主に石炭。バガヌール石炭鉱山は日本の支援も入っています。説明してくださったガンバット氏(Ganbat、Head of Department)によると、現在は年間360万~380万トンを採掘しています。これらの約7割は火力発電で使われているといいます。


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鉱山について説明するガンバット氏(右端)


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広大な鉱山を示す地図


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露天掘りの様子を説明する模型


とにかく、現地ではその規模に圧倒されます。12キロ×4キロの広さに約6億トンの石炭が埋蔵され、周辺にも石炭層が広がっているとみられます。現在は深さ120メートルまで掘っており、石炭層の厚さは8メートルから25メートル。1100人の労働者が働き、採掘を続けています。


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石炭の生産能力の向上とともに、「品質の向上のために頑張っている」(ガンバット氏)といい、国内でコークス炭などに加工するため、近く、新たな工場を建設する予定とのことでした。


   ◇


今回のモンゴル訪問は、大変有意義でした。


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既に報告したモンゴル・オリンピック委員会に対する東京五輪のキャンプ地誘致の活動(2014年8月1日付ブログ 参照)や国連ハビタットによるゲル地区の住環境改善の調査(同8月5日付ブログ 参照)、本日付ブログでまとめた大規模な露天掘り石炭鉱山の現場と日本人慰霊碑に加え、JICA(国際協力機構)モンゴル事務所も訪問。重点支援分野や民間企業の海外進出支援に関する支援スキームなどの説明をいただきました。


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JICAによるモンゴルでの重点支援分野の説明


また、こうした活動に先立ち、在モンゴル日本国大使館を表敬訪問。清水武則・特命全権大使からモンゴルの政治・経済・社会情勢について教えていただけたことも、視察・調査活動の充実につながりました。


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清水大使(前列右から3番目)を囲んで=大使館で


現地で学んだことを今後の政治活動に生かし、日本・福岡県とモンゴルのさらなる友好交流の深化、経済連携の構築、アジアの平和と安定の実現に向けて引き続き取り組んでいきます。



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