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Channel: 田辺かずきのブログ
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あの日から1年―中村哲さんの思いを受け継いでいく

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「あの日」からちょうど1年の12月4日の夜、中村哲さんの志を受け継ぎ、次代につなぐトーク企画を開催しました。市内外から多くの皆さんにご参加いただき、感謝を申し上げます。

 

パネリストの(左から)同級生の矢野健二さん、同級生でペシャワール会事務局長の古川正敏さん、薦野の歴史をつなぐ会会長の水上武美さん、田辺

 

「小生が現在、灌漑施設で使用している堰き板なども、当時の清滝の堤で見たものなどが原型になっています」

 

古賀で育った中村哲さんが、生前交流のあった「薦野の歴史をつなぐ会」会長の水上武美さんに宛てた手紙の一文です。薦野の清滝の記憶。アフガニスタンでの活動の底流に、古賀で過ごした青少年期があったことを伝えてくれます。

 

 

ペシャワール会事務局長で古賀西小学校と福岡高校の同級生でもある古川正敏さんも、アフガニスタンの灌漑施設を実現するに当たり、確かに、清滝の記憶が重要であったことを証言してくれました。

 

 

「自然への興味が昆虫採集や山歩きとなり、その延長に今の生き方が築かれた」。中村哲さんは母校・古賀西小学校の50周年記念誌にこう寄せています。小学1年生からの同級生でお互いの自宅も近かった矢野健二さんは、その記憶を紐解き、一緒に清滝や西山(鮎坂山)、鹿部山といった古賀の自然の中で共に遊び、育った思い出を語ってくれました。子どもだった中村哲さんが友だちに「蝶の通り道」を解説するなど、ありのままの自然を受け入れ、探究していたことは印象的でした。

 

 

だからこそ、アフガニスタンなどでの活動が長くなっても、中村哲さんは帰国すると古賀を訪れ、その自然の中に身を置いていました。1998年10月に西山に登った際は、その山中で五右衛門風呂に入った逸話が残っていました。そこで今年に入り、水上武美さんたち「薦野の歴史をつなぐ会」の皆さんが山中を探し、その五右衛門風呂を発見。この日のトーク企画でも紹介し、現在開催中のパネル展でも展示しています。中村哲さんが故郷の古賀を大切に思っていたこと、その活動の原点だったことを確かに示すものとして、次代につないでいくべき重要な「証人」と言えます。

 

 

トーク企画を前に、古賀西小学校の子どもたちが集めた募金をペシャワール会にお渡しすることもできました。子どもたちが学びの中で、中村哲さんの志を心に刻んでいることが伝わりました。

 

 

中村哲さんの思いを知ること。志を受け継ぎ、古賀のまちづくりに生かしていくこと。そして、次代につないでいくこと。決意を新たにした一日になりました。


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