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一般質問―介護費の削減額を試算、臨財債の償還

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福岡県議会2月定例会は17日、本会議・一般質問が始まりました。私は連続16回目の本会議質問に臨みました。


一般質問1


県議就任以来、地元・古賀市の皆さん、県民の皆さんとの「対話」から生活現場の課題を見出し、議会の場で質問・提案していくことが最も重要な責務と考え、全ての定例会で本会議に立ってきました。


今回、1期目の任期としては最後の本会議質問となりました。テーマは「健康寿命の延伸と介護・医療費の削減」と「臨時財政対策債の償還」です。


特に、福岡県における介護費の削減に関し、小川洋知事は答弁で、健康寿命を長くすることで、福岡県の介護費用が10年間で814億円削減できるとの試算を初めて明らかにしました。1年当たり約81億円となり、福岡県の2012年度の介護給付費約3300億円の約2.5%に当たります。これは県が私の求めに応じ、厚生労働省研究班の最新の推計から算出したものです。


以下、概要をテーマごとにまとめます。また、質問と答弁の全文を聞き起こしているので、こちらもご参照ください。


<記録文書>
※以下の文書を①→②の順に読むと時系列になります。
①田辺の質問全文(PDFへリンク)
②知事の答弁、田辺の行けん・要望の全文(PDFへリンク)


   ◇


<健康寿命延伸と介護・医療費の削減>


わが国に高齢社会が到来し、人口減少も進行していく中、私たち一人一人が健康に暮らし続けること、健康寿命を延伸していくことは、国家的課題です。


一般質問4


健康寿命は、日常生活に制限のない期間と定義されます。当然の話ですが、平均寿命が長くなり、健康寿命との差が開いていくと、介護や医療にかかる費用が大きくなります。逆に差を縮めていくことができれば、社会保障の負担は軽減され、国家の持続可能性を高めていくことになります。


国民の健康増進に関する目標などを定めた「健康日本21(第2次)」の資料によると、2010年で平均寿命と健康寿命の差は、男性が9.13年、女性が12.68年。こうしたことを受け、「平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加」を目標として設定しています。この取り組みの一環として、東北大学大学院の辻一郎教授を中心とした厚生労働省の研究班が調査を進め、健康寿命の延伸が実現できれば、10年間で2兆5兆円の介護・医療費を削減できるという推計をまとめました。


そこで、私から福岡県としての試算を出すように求め、知事から「介護費の削減額については、この研究の計算方法を本県に当てはめて試算すると、10年間の累計で814億円となる。1年当たり約81億円であり、本県の平成24年度の介護給付費約3300億円の約2.5%となるとの答弁を得ました。


これを受け、私からは「こうした数字は、県民の皆さん一人一人が健康づくり・介護予防に取り組んでいくうえでのインセンティブとなり、県政運営上も政策推進の目安になる。健康づくり・介護予防の分野は、住民の皆さんの生活現場に最も近い市町村における取り組みが最も重要であり、今回のような試算を出すことで、政策展開の参考とするような姿勢を県内市町村とも共有していただき、県全体の健康寿命の延伸につなげていただきたい」と要望しました。


一般質問2


<臨時財政対策債の償還>


臨時財政対策債については、福岡県において地方交付税で算入された額と、実際に返済のために積み立てた額に差額が生じていることについて、今国会で出された政府の見解を示しながら、知事に説明を求めました。


国から都道府県や市町村には地方交付税が配分されていますが、国の財政悪化により、地方交付税の財源不足分について、2001年度から地方自治体に地方債としての臨時財政対策債を立ててもらう仕組みを採っています。いったん自治体が金融機関などから借り入れ、返済資金は国が全額負担して地方交付税として地方に配分しています。


これに関して、昨年、国から自治体への毎年度の配分額が返済資金とならず、自治体の裁量で一般施策に使われている実態が明らかになりました。これを受け、通常国会冒頭の今年126日、緒方林太郎衆議院議員が政府に質問主意書を提出。この中で、臨時財政対策債の償還のために配分された地方交付税の額よりも、実際の償還並びに償還のための積み立てに充当された額が少なかった都道府県の名前とその額について質しました。


政府は答弁書で、2001年度から2013年度までの間、基準財政需要額に算入された臨時財政対策債償還費の累計額と比較して、臨時財政対策債の元金償還に充てるための減債基金への積立額が、累計額より少ないのが1220県と6市あることを明らかにしました。中でも福岡県の累計差額は39547572000円に上り、全国で最も多額である実態も判明しました。


また、政府は「地方交付税の基準財政需要額に算入された当該臨時財政対策債の元金償還額に相当する額を減債基金に積み立てていれば、当該臨時財政対策債の満期時において、その元金の償還に必要な財源が確保される仕組みとなっている。しかし、当該相当額を減債基金に積み立てていない場合には、当該臨時財政対策債の満期時において、その元金の償還のために減債基金以外の財源が必要となることもあり得る。政府としては、満期一括償還方式で発行している地方債の償還財源を確保するため、減債基金への計画的な積み立てを行うことが財政運営上適切であると認識している」との見解を示しています。


れを踏まえ、私から認識を問い、知事は「2001年度から2013年度までの返済総額は1504億円、これに対する交付税算入額は1899億円となっており、395億円の差が生じていると明らかにしたうえで、この差の理由について「本県においては、金利の動向に加え市場における福岡県債の評価や投資家の意見を十分踏まえたうえで、最も有利と考えられる借り入れを行った結果、1年当たりの返済額が20年返済よりも小さくなる30年返済の割合が、交付税の算定上用いられる全国一律の基準(※5対5)よりも高い(※2対8)ため、実際の返済額が交付税の配分額を下回っており、結果として差額が生じている」と説明しました。


一般質問3


さらに、政府が示した認識への見解と福岡県の財政運営について質し、知事は「地方交付税は、地方固有の自主財源であり、その使途は、地方自治体が地域の実情に則して自らの判断に基づき決定すべきものである。このため、臨時財政対策債の返済の方法についても、地方自治体の判断に委ねられている」としたうえで、「差額が生じているが、県債の返済に必要な財源については、本県の返済計画に基づき、毎年度、計画的に減債基金に積み立てており、適切な財政運営を行っている」と明言。さらに、「県債返済のための確実な積み立て、行財政改革の着実な実行、先端成長産業の育成をはじめとした先進的な取り組みに対し、投資家からも高い評価を得ているところであり、ムーディーズの格付けにおいても、福岡県債の評価は、日本国債と同じシングルエーワン(A1)となっている。今後の具体的な返済計画については、引き続き、本県の返済計画に基づき、20年返済のもの、30年返済のもの、それぞれの返済に必要な額を確実に積み立てていく」と答弁しました。


知事からは「累増する臨時財政対策債については、そのあり方の全面的な見直しを行うとともに、厳しい地方財政の状況を踏まえ、地方交付税の法定率の引き上げを含めた抜本的な見直しを行い、特例措置に依存しない持続可能な制度を確立することが重要」との言葉もありました。私もこれに同感であり、これらについては国会でしっかりと議論してもらうことが必要だが、知事として引き続き、政府に強く求めていただきたい」と要望しました。




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