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冬到来―千鳥駅で県政報告を配布/最高裁判決

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冬到来を実感しますね。17日朝はJR千鳥駅東口で県政報告を配布。終わるころには束を持っている左手がやや固まりかけていました。受け取ってくださった皆さんに感謝!


千鳥駅東口


   ◇


この前日の16日、最高裁判所は夫婦同姓を定めた民法750条について「合憲」との初判断を示しました。


【民法750条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する】


私は、慶應義塾大学法学部法律学科で民法(家族法)を専攻し、社会に出てからは新聞記者として、政治家として、様々な境遇の方々と話をしてきました。こうした経験を踏まえての結論は「私たちが多様性を許容できる社会を構築していかなければならない」ということです。


果たして、夫婦同姓制度だけで、個人が尊重されているといえるのか、男女の本質的平等が実現できるといえるのか。私たちは法制度を真剣に検討すべき時期にきていると考えます。


今回の最高裁判決も「合憲」との判断を示す一方で、「姓を改める者がアイデンティティーの喪失感を抱いたり、他人から識別される機能が阻害されたり、個人の信用、評価、名誉勘定などにも影響が及んだりするのは、否定できない。特に、近年不利益を被る者が増えていることがうかがえる、これらは姓を含めた婚姻や家族に関する法制度のあり方を検討するにあたって考慮すべきだ」「夫婦同姓制よりも規制の程度の小さい制度(例えば選択的夫婦別姓制)を採る余地について、そのような制度に合理性がないとと断ずるものではない」などとして、制度にデメリットがあることも認めたうえで、国会に対して、別姓の導入も含め制度のあり方を検討していくように求めました。


最高裁判事からは「夫婦同姓制度は婚姻の自由を制約する」との意見も出されました。「女性の社会進出は著しく進んでいる。婚姻前の姓使用の合理性と必要性が増している。姓の変更でアイデンティティーを失ったような喪失感を持つこともありうる。そして、支障、負担はほぼ妻に生じている。女性の社会的、経済的な立場の弱さなど様々な要因がもたらすもので、妻の意思に基づくものであるとしても、意思決定の過程に現実の不平等と力関係が作用している。その点に配慮しないまま夫婦同姓に例外規定を設けないことは、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した制度とはいえない」とし、今の制度が「婚姻の自由を制約するもの」と指摘しています。(岡部喜代子裁判官の意見)


民法750条は、夫婦どちらかの姓を選ぶという「選択制」である限り、「形式的」には平等ですが、この意見が指摘しているように、女性の多数が男性の姓に変えている現実は、「実質的」に平等が実現できているとは言えないと考えます。多くの報道で伝えられているように、通称使用では解決出来ない課題も残っています。


さらに、別の判事からは「存在の社会的な認識は守られるべき重要な利益で、それが失われることは重大な利益侵害」としたうえで、「同姓でない夫婦は破綻しやすい、子の成育がうまくいかないという根拠はないので、効用という点では、例外を許さないことに合理性があるとはいえない」との意見も出されました。(木内道祥裁判官の意見)


この指摘通り、夫婦や子どもの姓が異なるから子どもの成育がうまくいかないという根拠はないと私も考えますが、その一方で、夫婦別姓を導入するために法制度を設計していくに当たっては子どもの姓も影響を受けることから、「子の福祉」をしっかりと念頭に置かなければならないことも事実です。親である大人だけを意識した制度では、多くの人が共感できる制度は築けません。


現在の状況は、社会として個人を尊重しているといえるのか、男女の本質的平等が実現できるといえるのか。判決翌日の2015年12月17日付の朝日新聞では、元最高裁判事の泉徳治さんの談話も掲載されていました。「姓は個人のアイデンティティーに関わる、人格の象徴です。結婚によって夫婦のどちらかが姓を変えなければならない制度は、個人の尊厳を傷つけるものです」。夫婦同姓制度が「違憲」と指摘している裁判官の意見や、泉元判事の主張は説得性があると思います。多様性を大切にする、一人一人を大切にする社会をつくっていくため、今回の最高裁判決からさらに前進していきたい。


その意味で、今後の立法府の責任は極めて重大であり、私も政治家の一人としてしっかりと取り組んでいきたいと考えています。


判決の全文は最高裁が公開しています(PDFファイルはこちら )。また、上記の引用は12月17日付の朝日新聞紙面に掲載された要旨を参考にしています。


   ◇


平松愛理さんの「部屋とYシャツと私」。私が小学生から中学生になる1990年代前半の名曲です。


毎日新聞記者として、平松さんを取材する機会に恵まれ、この曲への思いについて聞く機会がありました。この時、「お上品、優等生的なラブソングが多かったから『変化球だけどストライク』って感じに(作った)」とおっしゃっていました


スポーツ記事3


突然これを思い出したのは、前述した16日の最高裁判決に先立ち、夫婦別姓に関する朝日新聞の平松さんへのインタビュー記事を読んだため。経験はいろいろなところでつながっていきますね。


   ◇


久々に西鉄貝塚線の電車に乗り、福岡県議会へ。


西鉄


子どもの頃は古賀にも西鉄宮地岳線(07年廃止)が走っていて、古賀ゴルフ場前駅から乗って香椎宮前駅で降り、イトマンスイミングスクールに通っていました。懐かしい。



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